転職前に押さえておきたい、魅力と注意点の全て
不動産営業は、多くの人にとって魅力的なキャリアオプションです
だからと言って転職して必ずうまく行くという保証もありません
どこの業界もそうですが、メリット・デメリットがあり、それによって自分にあっている職種なのかがかわってきます
転職を考える前にそのメリットとデメリットを十分に理解することが重要です
【メリット】
- 高収入
- 自由な働き方
- 広がる人脈
- 未経験の30代・40代でも参入可能
- 自分が不動産を購入するときに有利
- ビジネススキルの定着
【デメリット】
- 拘束時間が長い
- ストレス・プレッシャーがかかる
- 市場変動のリスク
本記事では、不動産営業の特徴や業務内容、上記のメリット・デメリットについて具体的な解説をし、あなたのキャリア選択をサポートします
実際に転職を考えている方はこちら↓
1. 不動産営業とは
不動産営業は、不動産物件の売買や賃貸を仲介する仕事であり、高いコミュニケーション能力とマーケティングスキルが求められます
顧客のニーズに合わせた物件を紹介し、契約までのプロセスをサポートする職種です
個人向けの住宅や投資用物件、商業施設など、多岐にわたる物件を扱うことが多く、顧客との信頼関係を築きながら効果的な提案を行うことが求められます
不動産営業の一日の業務は多岐にわたり、朝は新規物件のリサーチや市場動向のチェックから始まり、日中は顧客との打ち合わせや物件の案内、夕方から夜にかけては契約手続きや書類作成が行われます
物件の見学や契約交渉は顧客の都合に合わせる必要があり、週末や夜間に働くことも少なくありません
2. 不動産営業のメリット
不動産営業には、高収入の可能性や多様なキャリアパスが魅力として挙げられます
不動産営業は、成功すれば非常に高収入を得ることができる職種で、特に高額物件を扱う場合は手数料の一部が報酬となるため、大きな収益を期待できます
また、経験を積むことで、マネージャーや独立開業といったキャリアパスも広がります
①高収入のチャンス
不動産営業は、成果報酬型の給与体系が多く、自身の努力次第で高収入を得ることができます
特に都市部や高価格帯の物件を扱う場合、その報酬は非常に魅力的です
例えば、都市部のマンションや商業施設の売買では、取引額が数千万円から数億円に達することもあり、その手数料は非常に高額です
仲介手数料は物件の価格により計算方法が異なります。
- 200万円以下:物件価格×5%+消費税
- 200万円~400万円:物件価格×4%+2万円+消費税
- 400万円超:物件価格×3%+6万円+消費税
となります
1000万円の物件を仲介した場合は、
(1000万円×3%+6万円)×消費税1.1=396,000円
これだけでもかなりの金額になります
フリーランスの場合は、この手数料がすべて自分のポケットに入ってくるので、
かなりの高収入が見込めます
企業に属している営業マンの収入も低くはありません
例えば、2022年の調査では営業系の平均年収が439万円という結果がでており、生活するうえでは
問題ない金額になっております
業界や年齢によって収入差があり、高収入を目指すことも可能です。
②自由な働き方
多くの不動産営業職は、フレックス制度やリモートワークを採用しており、自分のペースで働くことができます
これにより、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなります
フレックス制度を活用することで、家庭や趣味との両立が可能となり、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができます
宅建の資格を持っている人は、リモートで重要事項説明を行うなど、働く時間だけでなく、場所も選ぶことが出来るのも大きなメリットの一つです
③人脈の広がり
不動産営業は、多くの人と出会い、コミュニケーションを取る機会が豊富です
顧客だけでなく、建築会社、金融機関、法律事務所など、多様な業界のプロフェッショナルと関わることで、人脈が広がります
これらの人脈は、将来的なビジネスチャンスやキャリアの発展にも大いに役立ちます
特に不動産仲介を行う場合は売主業者と仲良くなることで優先的に物件を回してくれることがあり、契約数を伸ばすうえでも人脈は重要です
④未経験の30代・40代も参入可能
不動産営業は学歴や経験が不問の企業がおおいです
その理由は、「誰にでもできる職業」だからです
簡単な仕事というわけではありませんが、資格が無くても問題なく、やる気と少しのセンスがあれば契約を取ることが出来ます
人によって初契約までの期間は異なりますが、最近は研修に力を入れている企業も多いので未経験でも安心です
人材不足の企業も多く、特に中小企業であれば年齢に関係なくやる気がある人を採用するケースも少なくありません
年齢が気になり転職に前のめりになれない方におすすめです
30代で転職を考えているかたはこちら
⑤不動産購入時に有利
不動産業界で働くということは、住宅や土地を販売することに重きを置く職種です
ですが反対に、自分も結婚や妊娠・出産のタイミングで家を建てたり、購入したりすることも出てくるはずです
そんなときに不動産業界で働いて入れば、身に付けた知識を基により自分の好みにあった家を建てることが出来やすくなります
築いた人脈の中に工務店やハウスメーカーの人がいればそこから通常より安く購入すことが出来たりする場合もあります
少なからず知識を身に付けていると、購入時に損をすることは少なくなります
不動産購入は大きい買いものなので、損することなく購入できるのもメリットの1つです
⑥ビジネススキルの定着
営業活動を通じて、コミュニケーション能力、課題発見能力、ヒアリング能力など、多くのビジネススキルが磨かれます
営業活動を通じて、業界の動向や社会情勢等世の中の動きに対しても詳しくなります
営業で培ったスキルは他業種や他職種でも活かせるため、転職に有利になりやすいのも特徴の一つです
3. 不動産営業のデメリット
一方で、不動産営業には長時間労働やストレスフルな環境といったデメリットも存在します
不動産営業は、クライアントとのコミュニケーションが重要であり、そのために長時間労働が求められることが多いです
また、ノルマを設けている業者が殆どで、成果が出ない場合のプレッシャーや、顧客対応のストレスも大きな課題となります
分かりやすくデメリットをまとめてみました
拘束時間が長い
物件の見学や契約交渉は顧客の都合に合わせる必要があり、週末や夜間に働くことが一般的です
これにより、長時間労働が常態化しやすい環境です
特に繁忙期には、一日に複数の物件案内や契約業務が重なることがあり、体力的な負担も大きくなります
日中に見学が多く入ってしまうと、契約書の作成等は夕方遅くに事務所に戻ってきてから開始となり、残業も多くなりやすいです
顧客の予定に合わせて動くこともあり、休日出勤も少なくありません
不動産業界へ参入を考えている方は、振替休日をもらえる業者を探すことをお勧めします
ストレスとプレッシャー
成果が直ちに報酬に反映されるため、常に高い成果を求められるプレッシャーがあります
また、クライアントの要望に応えるためのストレスも少なくありません
特に、取引が成立しなかった場合や、顧客からのクレーム対応は精神的な負担となります
給料やボーナスが歩合制になっている企業は、特にノルマを設けているところが多く達成できるか否かで上司からの圧力や自分で自分を責めてしまうストレスに見舞われることが多いです
市場の変動リスク
不動産市場は経済状況や政策変更に影響を受けやすく、市場の変動リスクがあります
例えば、金利の上昇や不動産価格の下落は、取引件数に大きな影響を与え、不動産営業の収益に直結します
直近で行けばウッドショックや物価高の影響で新築住宅を購入する人が減少しており、新築販売業者の売り上げが落ち込んだり、反対に中古住宅を購入しリフォームして住む人が増えてきているので、中古住宅販売業者や不動産仲介業者・リフォーム業者の売り上げが伸びたりしています
このように経済状況や政策によって動きが目まぐるしく変化しているのも不動産業界の特徴です
市場の変動に対応するためには、常に最新の情報を収集し、柔軟な対応が求められます
4. 不動産営業に向いている人
メリット・デメリットを紹介してきましたが、そんな中でどのような人材が不動産営業職に向いているのでしょうか
ここからは向いている人材についてまとめていきます
不動産営業は、顧客との信頼関係を築くことが成功の鍵です
そのため、コミュニケーションを含めた対人スキルやプレゼンテーション能力が求められます
また、自己管理能力が高く、目標に向かって努力できる人が向いています
高いコミュニケーション能力
顧客との信頼関係を築くためには、高いコミュニケーション能力が不可欠です
相手のニーズを正確に把握し、適切な提案を行う力が求められます
顧客との信頼関係が築ければ、リピーターや紹介による新たな顧客獲得にも繋がります
実際に経験やが学歴ではなく、コミュニケーション能力を重視している業者も多く、面接のときに如何にスムーズにコミュニケーションを取ることができるかを重視しているところも多いで
話方や口調でその人の人となりがわかり、営業に向いているかも判断されます
これから不動産業界を目指す方は、コミュニケーション能力の向上に努めてみるのをおすすめします
実際に中小企業では学歴や経験、資格の有無よりもコミュニケーション能力を重視して採用するか否かを決めるところも少なくありません
目標達成意欲
不動産営業は、結果が明確に報酬に反映される職種です
そのため、目標達成に向けた強い意欲と行動力が重要です
自己目標を設定し、達成するために計画的に行動できる人が成功しやすいです
毎月の売り上げ目標を設定するのもそうですが、その日1日・1週間でどのように行動するのか、行動予定をたてるのも重要です
特に営業は外回りで時間が空いてしまい、コンビニやスーパーでさぼるなんて言うこともありますが、そういった時間をいかに減らしていくかで成功できるか否かが左右されることもあります
そのため細かく目標を設定し、地道に行動できる人ほど向いている職業になります
柔軟な対応力
不動産市場や顧客のニーズは常に変動しています
そのため、変化に対応し、柔軟に行動できる能力が求められます
新しい情報やトレンドに敏感であり、迅速に対応できる人が重宝されます
経済状況や世界情勢によって、不動産購入者の年齢層や人気の物件、人気の価格帯も変化します
それらに柔軟に対応できることも重要ですが、ニュースやトレンドを把握し柔軟に対応でするこも重要です
市場やニーズだけでなく、打ち合わせの日程調整の段階でも臨機応変に対応する必要があります
必ずしも土日休みの人ばかりではなく、平日休みの方や、仕事が忙しく仕事終わりの夜から打ち合わせというのも多々みうけられます
行動スケジュールに関しても柔軟に対応することが大切です
5. 営業職の詳細解説
営業職の役割と業務内容
営業職は、会社の利益に貢献するために、顧客に商品やサービスの価値を伝え購入を促す重要な役割を担います
具体的な業務内容には以下が含まれます
- 見込み顧客のリスト作成 :ターゲット顧客の情報を収集し、リストを作成します
- 資料作成 :営業資料やプレゼンテーション資料を準備します
- アポイント取り :電話やメールで顧客とアポイントメントを設定します
- 商談 :顧客と直接会い、商品やサービスの提案を行います
- 契約手続き :商談後の契約手続きを行い、必要な書類を整えます
- アフターサポート :契約後の顧客フォローを定期的に行い、満足度を高めます
他にも住宅ローンの手続き代行等を行う場合もあります
営業手法の種類
営業手法は、新規開拓営業とルート営業の二つに大別されます
新規開拓営業
新規開拓営業は、まだ取引のない新規顧客を開拓する手法です
主な手法には以下が含まれます
- 訪問販売:顧客を直接訪問して商品を紹介します(現在はほとんど行われていない
- テレフォンアポイント:電話でアポイントメントを取り、商談に繋げます
- メールやSNSでの集客:オンラインツールを活用して顧客にアプローチします
新規開拓営業では、顧客の問題やニーズを的確にヒアリングし、自社商品がどのように役立つかを説得力を持って伝えることが重要です
ひと昔前にあった訪問販売などの飛び込み営業は減少しており、チラシやインターネットを利用した集客をメインに営業を行っている企業が増加している傾向があります
ルート営業
ルート営業は、既存顧客に対して継続的に取引をしている企業・顧客に対してのアプローチとなります
- 定期フォロー:既存顧客を定期的に訪問し、フォローアップを行います
- 新商品の提案:顧客に新商品を紹介し、購入を促します
主に上記2点が中心になってきます
ルート営業では、顧客との信頼関係を維持し、顧客のニーズに対応する能力が求められます
新規開拓とは異なり、すでに顧客となっているところへのアプローチがほとんどですが、ルート先を増やす為に結局は新規開拓を行うことが多いです
対象顧客の種類
営業活動の対象顧客は、主に企業(法人営業)と個人(個人営業)に大別されます
法人営業(BtoB)
法人営業は、企業を対象に行う営業活動です
取引金額の規模が大きく、取引全体の期間が長い為、慎重な審議が必要です
購買担当者との商談(打ち合わせ)何回も重ね、商品導入のメリットを論理的に伝えることが重要です
法人営業では、顧客の経営方針や事業内容を理解し、提案できる高度なスキルが求められます
個人営業(BtoC)
個人営業は、一般消費者を対象に行う営業活動です
顧客本人が購買決定を下すため、交渉次第で即決につながることが多いです
顧客の感情が購買基準となることが多く、営業担当者の人柄や対応が売り上げに直結します
個人営業では、顧客の感情に寄り添い、迅速かつ的確な対応が求められます
法人営業とは異なり、都度顧客が異なる為、1人1人に合った営業を意識する必要があります
6.営業職で身につくスキル
営業職は法人営業・個人営業と種類は分かれていますが、対人間である以上必要となるスキル、身につくスキルにそれほどの差はありません
ここでは営業職を通して身につくスキルを紹介します
- ビジネススキル:営業に必要な会話術から基礎的なビジネスマナーまで幅広く学ぶことが出来る
- 相手の課題を発見する力:顧客の問題を的確に把握し、解決策を提案する能力
- 提案するプレゼン能力:商品やサービスの価値を分かりやすく伝える能力
- 失敗しても諦めない精神力:困難に直面しても前向きに挑戦し続けるメンタルの強さ
- 数字分析力:目標達成のための戦略を立て、効果的に行動するための分析能力
- 独立するためのスキル:起業や独立に必要な基本的なビジネススキル
まとめ
不動産営業は、高収入や自由な働き方が魅力ですが、長時間労働やストレスといったデメリットも存在します
転職を考える際には、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自分に向いているかを検討することが重要です
また、営業職全般についても多くのスキルやメリットがあり、キャリアの幅を広げる可能性を秘めています
あなたのキャリア選択が成功するよう、慎重な判断を心がけてください。